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再興までの軌跡

・天竺 古のナーランダ僧院
ナーランダ僧院は、今より1,600年の昔、北インドの王舎城にほど近い地に、クマーラ・グプタ王が創建した僧院です。
王舎城は、遥か2,500年の昔、北インドに栄えたマガダ国の首都で、釈尊が仏法を説かれ、衆生済度に励まれた、仏教に大変ゆかりの深い都であり、この地に建立されたナーランダ僧院は、仏教をはじめ、哲学、文学、数学、美術等々、あらゆる学問を教育・研究する世界一の総合仏教大学として大いに発展し、全世界に、その名を轟かせました。
7世紀、中国の名僧、玄奘三蔵は、インドの地に連綿と伝えられた真の仏の教えを中国へ、もたらしたいとの情熱に燃え、国禁を破って中国国境を越え、一路、インドの地を目指しました。大砂漠を渡り、氷河に覆われた高山を登り、何度も命を失いかけながら、はるばる、ナーランダ僧院へたどり着いた玄奘三蔵は、僧院一の高僧から大歓迎をもって迎えられ、わずか5年間で、あらゆる教えを会得しました。
惜しまれつつ、インドの地を後にした玄奘三蔵は、唐の皇帝から、国をあげての歓迎を受け、中国の仏教を大きく発展させました。玄奘三蔵がナーランダ僧院からもたらした、仏の教えと経典の数々は、やがて、シルクロードを経て東の果ての日本へ伝えられ、今もなお、不滅の輝きを放っています。
玄奘三蔵が学んだ当時のナーランダ僧院は、全世界から選抜された1万人もの学僧が学び、仏道実践に励んだということです。
第四回佛教サミット共同宣言に基づき、釈尊の理想である、「世界の平和と人類の安寧」へ向かうため、全世界に仏教を興隆する礎と するべく、佛教之王堂に隣接する地に、現代におけるナーランダ僧院を建立せんとするものです。

 

・地鎮式
仏教興隆に向けて 玄奘三蔵の心を未来の学僧に託す
2008年(平成20年)11月1日
「佛教之王堂」落慶法要に続いて、ナーランダ僧院地鎮式が、カンボジア王国ノロドム・ シアヌーク前国王陛下・皇太后陛下をはじめとする来賓の方々、並びに、世界32ヶ国の仏教最高指導者御臨席の下、執り行われました。
仏教徒八百年来の悲願である「ナーランダ僧院」へ思いを馳せ、世界の平和と人類の安寧がもたらされる時代の到来を祈念して、世界の国家元首、国家指導者、政府要人、文化人および全世界五大陸からの仏教最高指導者の方々が、一同で再建を発願し、記念植樹が行われました。

   
ナーランダ僧院 再建発願文に署名
南伝仏教の雄 スリランカ ラトナシリ・ウィクラマナヤカ首相閣下
 
ナーランダ僧院 再建を願い 上座部仏教僧侶による読経
 
ナーランダ僧院 再建を願い チベット密教僧侶による読経
 

 

・起工式
ナーランダ僧院 建立の槌音が響き渡る
2010年(平成22年)10月11日
式典には、タイ王国より、マハー・チャクリ・シリントーン王女殿下を主賓としてお迎えし、世界十三ヶ国の駐日特命全権大使閣下御夫妻の御臨席を賜りました。王女殿下より主賓御挨拶を賜った後、杭打の儀が執り行われ、ナーランダ僧院建立への槌音が、三草山に高らかに響き渡りました。

[ 主賓 タイ王国 マハー・チャクリ・シリントーン王女殿下 ご挨拶 ]
先ず冒頭に、栄えあるナーランダ僧院の起工式という、歴史的な慶事に際し、心より御祝いを申し上げます。
かつて、北インドの地に創設されましたナーランダ僧院は、およそ八百年もの歴史の中で大いに発展し、世界中へ仏教を伝播・興隆させる上で、大いなる役割を果たしました。その名は、世界最大の僧院として 歴史に残っております。
この偉大なる僧院の再興は、2005年にタイのバンコクで開催されました、第四回 佛教サミットの共同宣言に端を発し、そして今、久世圓心定猊下の弛まぬ御努力と御指導力の下に、日本国兵庫県加東市の地に実現することになりました。
一仏教徒としまして、私が、この歴史的行事に主賓として参列させて頂きましたことは、誠にこの上ない栄誉であり、深く感謝いたします。
この一大仏教研修施設において、僧侶たちは、上座部仏教、大乗仏教、チベット密教の垣根を越えて、釈尊の至高の精神を継承するべく、「一切経」から仏教の真髄を学ぶことができます。
類稀なる御指導力により、全世界三十ヶ国を超える仏教最高指導者をまとめ、仏教興隆のために全生涯を捧げておられます久世圓心定猊下に対し、私は、心からの感謝と深い敬意を表します。
日本国念佛宗、並びに、ナーランダ僧院のさらなる御発展を心から願いますと共に、尊い仏教で結ばれたタイ王国と日本国、そして、世界の国々との絆が、ますます強まりますことを祈念いたします。
 

杭打ちの儀
主賓 マハー・チャクリ・シリントーン王女殿下
 
世界13ヶ国の駐日特命全権大使閣下により 三たび 高らかに打ち鳴らされる杭打の音
 
ナーランダ僧院起工式が厳かに執り行われた